責任能力と監督義務者の責任をめぐる制度設計 - 現在の日本法の抱える問題と将来の制度のあり方 -
Die Zurechnungsfähigkeit und der Schutz von dem Geschädigten im jap. Deliktsrecht
窪田充見(神戸大学大学院法学研究科教授)
36권 1호, 241~280쪽
초록
. 日本民法においては,責任無能力を理由とする免責によって判断能力の乏しい者を保護しつつ,その者による不法行為の被害者の救済を,法定の監督義務者の賠償責任を通じて実現している。しかし,民法自体は誰が法定の監督義務者であるかを明確に規定しておらず,特に精神障害者による不法行為については,特別法の改正によって,監督義務者が明確には存在しないという状況が生じている。このことは,認知症の高齢者が原因となる事故が増加する中で,深刻な問題をもたらしている。 こうした状況の中で,未成年者や精神障害者による不法行為について,加害者の責任のあり方,監督義務者の定め方とその責任の内容(補充的責任か否か等)を含めて,法改正を視野に入れて再検討することが求められている。 比較法的な検討をふまえて,制度設計のあり方としては,以下のような方向が考えられる。 第1に,例外的な衡平責任の導入等,無能力を理由とする免責を限定するしくみを導入し,不法行為の被害者の保護について,制度的対応が欠如している状況を回避することが不可欠である。 第2に,責任無能力を理由とする免責については,それを維持する場合でも,未成年者と精神的障害を理由とする無能力者については,両者をめぐる状況の相違をふまえた制度設計をする必要がある。 第3に,責任無能力による免責を維持し,監督義務者の責任によって被害者の保護を図るとする場合,誰が監督義務者であるかが明確な制度とする必要がある。 第4に,監督義務者の責任については,過失責任(中間責任)としつつ補充的責任とする現行制度は理論的に一貫せず,過失責任(中間責任)を維持したうえで補充的責任であるということを廃止するか,無過失責任(厳格責任)に変更したうえで補充的責任とするかのいずれかのものとするかが求められる。
- 발행기관:
- 법학연구소
- 분류:
- 법학