日本における原始的不能をめぐる議論の 流れと民法改正案
Anfängliche Unmöglichkeit in dem Regierungsentwurf des neuen JBGB
潮見佳男(京都大学大学院法学研究科)
36권 1호, 155~166쪽
초록
日本では、法制審議会民法(債権関係)部会を経た「民法(債権関係)の改正に関する要綱」の答申が2015年2月にされ、これを受けて、同年3月に、政府提出法案として国会に「民法の一部を改正する法律案」が提出され、現在審議中である。本稿は、このなかから、原始的不能の問題を取り上げ、原始的不能に関する規定を新設することにより、「原始的不能の給付を特定とする契約は無効である」としてきた従前の伝統的学説とは逆に、「契約は、その給付が契約締結時に不能であったことを理由としては無効とならない」とのルールを採用しつつも、このことに関する規定を損害賠償の問題に結びつけて規律化した民法改正案の特徴を明らかにするものである。 かいつまんでいえば、日本民法改正案412条の2第2項は、「契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第415条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。」とする。同項は、原始的不能に関するルールを定めたものである。原始的不能については、民法は、(かつての伝統的見解と異なり)「契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったときであっても、契約は、そのためにその効力を妨げられない。」との考え方を基礎に据えたうえで、その「最も代表的な法的効果」として債務不履行を理由とする損害賠償、いわゆる履行利益の賠償を条文上に表記した。注意を要するのは、原始的不能の場合に、ここに書かれている履行利益の賠償が唯一の効果ではないという点である。同項は、原始的不能を理由とする契約解除を否定するものではない。代償請求権その他の履行不能に妥当する規定の適用が否定されているものでもない。本稿は、このことを、現行民法下の日本民法学説の推移と比較しつつ明らかにするものである。
- 발행기관:
- 법학연구소
- 분류:
- 법학