日本における第4産業革命と労働をめぐる法政策の現状と課題
Current Status and Issues of Law and Policy around the Fourth Industrial Revolution and Labour in Japan
오가타 케이코(南山大学)
49권, 33~63쪽
초록
本稿は、日本において IoT(Internet of Things)・ビックデータ・AI (Artificial Intelligence, 以下、「AI等」という。)の影響が議論され始めた2015年以降の政府の報告書を手がかりに、日本におけるAI等と労働法政策の現状を紹介したうえで、今後おそらくもっとも重要な問題となると思われる職業教育訓練制度と、大きな変化が生じると思われる労働の「時間」及び「空間」の問題を取りあげて論じるものである。 日本では、2015年、第2次安倍政権の下で日本経済の再生に向けて設置された日本経済再生本部が、『「日本再興戦略」改訂2015 未来への投資・生産性革命』を公表し、そのなかで「IoT・ビックデータ・人工知能時代の到来」という項目を挙げた。そして、新しい時代における産業構造・就業構造変革の検討を行うべきとした。それ以降、AI等は日本経済の成長戦略のなかに組み込まれた。そして、AI等技術の進展を支える生産性の高い働き方や人口減少問題への対応のため、「働き方改革」や「雇用制度改革」が唱えられるようになった。 AI等や第4次産業革命をめぐる労働法政策のあり方に関しては、政府からさまざまな報告書が出されているが、それらは何か一貫した考えのもとで展開されているとは言い難く、見通しのよいものではない。しかし、一致している部分もないわけではない。大きくまとめると、①産業構造及び就業構造の変化は不可避であり、それへの対応が必要であること、②時間・空間・企業にしばられない働き方が広がる可能性があることから、そのための環境整備が必要であること、③労働現場においてAI等を適切に活用するための方策が必要であることの3点である。 ①に関して、重要な労働法政策として提案されているのが、職業教育訓練制度の整備と、労働力の移動を円滑に進めるための労働市場の整備である。日本の領域での法政策は、比較的、具体的かつ着実に進められている。本稿では、とりわけ、職業教育訓練制度の最近の展開について詳細に論じている。もっとも、労働市場整備のための政策のひとつとして提案されている解雇無効時の金銭解決制度など、妥当性に疑問のある政策もある。また、プラットフォーム・エコノミーなど、「雇用関係によらない働き方」のための環境整備も検討されているが、2020年に発生したコロナ19禍によって露呈した個人事業主の経済的脆弱さの問題などに対応していく必要があると思われる。 ②に関しては、「テレワーク」及び「高度プロフェッショナル制度」が挙げられる。このうち、「高度プロフェッショナル制度」は、2018年のいわゆる「働き方改革関連法」による労働基準法改正によって新たに導入された制度であり、労働時間と賃金とを切り離し、労基法による労働時間規制を外した初めての制度である。制度が導入されて1年が経過した現在、導入要件が厳しいこともあり、ほとんど普及していない。しかし、AI等が進展していくなかで、さらなる規制緩和を求める議論が生じることが予想される。 ③に関しては、集団的労使関係のあり方、人事評価や報酬、昇進の仕組み、労働者のプライバシー保護、情報セキュリティ確保の方法、顧客に対する企業の責任体制と労働者の責任のあり方などに関して、現在、議論が行われている。しかし、まだ具体的な政策が展開されているわけではなく、今後の検討課題となっている。
- 발행기관:
- 한국비교노동법학회
- 분류:
- 노동법